WAKWAK BOX Project~ワクワクボックスプロジェクト~

広告ではない情報発信

街中にあふれるたくさんの情報の中で広告の持つ役割は大きな比重を占めてきました。企業も認知獲得のために莫大な予算をかけ、生活者の意識にうまくなじませるためにクオリティの高いクリエイティブを広告という世界で表現してきました。

サインやデジタルサイネージもその表現の一部であり、企業や店舗の皆様がファーストの商品を使ってポスターや動画コンテンツなど広告としての情報発信をしてきました。まだまだそういった表現はセオリーでありながらも、スマホが普及し始めたあたりから広告表現の主戦場がインターネットに移行してきたことも事実です。

そんな時代背景を踏まえた上で、これからの街における情報発信のあり方はどのようになっていくでしょうか?消費行動の訴求は個別最適化されてよりパーソナルな送受信になるでしょうし、そもそも必要とされない情報はノイズとして認識されるようになり、広告というものがある種ネガティブな要因になる可能性が出てくるのではと思います。

ただやはり街行く人たちがスマホをじっと見ながら歩いている光景に寂しい感じを抱いてしまうのは私だけでしょうか?

 

そこでもう一度看板やサインの定義を考えてみると、今まで広告という情報を街に発信するためにある種パッケージしていた「ワク」を使って何か違ったアプローチが出来ないかというアイデアが浮かびました。

デザインやアートの世界には優秀なクリエイターがいっぱいいます。消費の訴求だけではなく、シンプルに人々を楽しませるためのコンテンツを「ワク」でパッケージすることで、新しい価値観のある空間を創り出すことができるのではないか。そういった「ハコ」としての空間を街にポップアップとして置いていくことで、良質なクリエイティブを街に実装できるのではないか?

ワクワクするハコを増やすことでデザインのいい街を目指す「ワクワクボックスプロジェクト」が爆誕しました。

 

 

 

まずは形にすること~初号機

初期構想から一緒に練る事になったクリエイターの同志の面々とともに、まずは一度形にしてみようということで、名古屋の久屋大通にFabCafeNagoyaにて実証実験をしてみることになりました。

43インチのデジタルサイネージを2台使用し、片方はWEBカメラにて外部の映像をリアルタイムにて表示。実際の映像にエフェクトをかけて抽象度をあげてコンテンツ化しました。もう一台はそれと対比させて動かないオブジェを同じく定点カメラでライブ撮影して表示。揺らいで見えるエフェクトをかけて自然に動いているようなコンテンツに仕上げました。

何人かにヒアリングしてみましたが、ある意味カフェに同化しすぎていて意図のあるコンテンツとしての認識がない状況。逆に正解なのかもしれませんが、より引き込むための仕掛けが必要だという課題認識にいたりました。

 

 

汁物ダイヴ

初号機の実験を踏まえて、よりコンテンツに没入するための装置が必要だという仮説をたて、ハコをつくろうという一つの帰結にたどり着きます。

FabCafeNagoyaのオープンラボである高次素材設計技術研究舎 -Melt.のメンバーとともにより没入感のある、Well-beingな空間演出のためのコンテンツ実装も行い、入口があれば入りたくなる。汁物があればダイヴしたくなる、人としての本能に訴えかける形で弐号機として「汁物ダイヴ」が完成しました。

おしゃれなカフェの中に突如現れた異質空間。1週間ほどの実証実験を行いましたが、がんがん吸い込まれていくダイバーが多く、とくにちびっこに大人気となりました。

 

 

向合処

まさかの汁物ダイヴからの展示オファーが決まり、会期終了から1週間ほどの突貫スケジュールで、中部電力ミライタワー内での和のイベントにコンテンツを変えて出展しました。

 

 

 

 

 

開発合宿

ハコの拡張性と移動の利便性を追求するために試作が続きます。構造としてアルミフレームで壁面をつくることで、密閉性のある空間を短時間でつくることが出来るようにシステム化。

天井部を暗幕で覆うことでまっくらな空間をつくることも可能になりました。

もう一つのポイントとしては、ヘッドフォンによる聴覚情報の発信がオペレーションや衛生面などの面で課題になっていること。没入感を残しつつ快適性を担保するために360度音響のシステムをサウンド音響の専門家と組んで作成しました。予算削減のためにスピーカーは格安のものとなりました。

 

 

 

サティスファクション

すべてのワクワクボックスファンを満足させるための開発を続け、ついに名古屋のマルシェの代名詞と言っても過言ではない東別院暮らしの朝市に出展することができました。

メンバーの移動車のタイヤが外れるなどのハプニングを経て、前日に何とかシステムを完成。ワンボックスにすっぽりと積みこめるパッケージになりました。

 

当日搬入もサイネージを立て、裏側に音響の制御ブースをつくった後にハコの設営。配線をのぞけば約30分ほどで完成します。

入れ替わり立ち替わり大勢の人に体験いただき、クリエイティブの持つポテンシャルと穴があったら入りたい人間の特性を感じる事ができました。

 

 

メーカーフェア参戦

岐阜県大垣市で行われたOgaki Mini Maker Faireに参戦。ワンボックスに積み込み前日搬入、会期2日間終わり当日搬出のスケジュールでスムーズに動くことができました。

来場者のクリエイティブレベルが高い会場の中、多くの方に体験いただき、好評を博しました。

 

 

設置先、協力先募集中です。

わくわくする楽しいハコという空間を街に実装するという概念は、非常に多くの方に共感頂いております。しかしながら、まだまだ空間としてのポテンシャルを活かしきれていない場所や、実社会の中で面を取れていない上質なクリエイティブは世の中に溢れています。

空間の担い手の皆様、クリエイターのみなさま、スポンサードをお考えのみなさま。

デザインのいい街を一緒につくっていく方、お待ちしております。

 

 

 

 

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